A Wild Sheep Chase
- 作者: Haruki Murakami
- 出版社/メーカー: Vintage
- 発売日: 2000/04/20
- メディア: ペーパーバック
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YL5.5 語数86,940語 SSS書評
村上春樹「羊をめぐる冒険」英訳本、Alfred Birnbaum翻訳。
20代の最後にさしかかったある日、青春時代を一緒に過ごした鼠から手紙と写真が届く。その写真は、羊の群れが山に放牧されている、のどかな写真だった。その写真を多くの目に留まるようにして欲しいという。ちょうど広告を作る仕事をしていた“僕”は、広告に鼠の写真を掲載したところ、冒険が始まる。耳の魅力的なガールフレンドと一緒に北海道へ旅立つことになるのだった。それは、“僕”から何かを失わせる旅となる。。
日本語で読み、そして英訳本を手にしていたので、本文の味わいと英文訳の妙を楽しみながらの読書となりました。“僕”のもつ雰囲気そのままに英文で再現されていて感激の連続です。青春の終わり、手放したもの、失ったものの大きさ、心に吹き抜ける最後の寂しさ。日本語で読み終えた村上春樹の読後感そのまま感じられ、素晴らしかったです。
羊男の第一人称が“We”で、話し方もユニークだったりと、翻訳での感じがまた興味深かったです。
「Wild Sheep」で検索すると、野性味あふれるツノの立派な羊が出てきます。こんな羊に精神を支配されたら怖いですね。「Wild Sheep」で「飼いならされていない羊」という意味があるそうです。
昨年からじっくりと「ノロノロ読み」をして、なんという充実感でしょう。今日は、ついつい20%を一気読みしてしまいました。もったいなかったかしらと思いながらも止まりませんでした。涙、涙のラスト。
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