The Giver
The Giver (Readers Circle (Laurel-Leaf))
- 作者: Lois Lowry
- 出版社/メーカー: Laurel Leaf
- 発売日: 2002/09/10
- メディア: マスマーケット
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YL6.2 語数43,139語 SSS書評
少年Jonasは、規律あるルールに則りすべてがコントロールされた共同社会に住んでいる。そこには戦争も恐れも痛みもないが、人々が人生を選ぶこともない。人生の伴侶や仕事などを選ぶことがないのだ。そんな社会に少年Jonas両親と妹と住んでいた。
その社会では12歳を迎えると、一生涯の仕事を決められる。Jonasが従事する仕事は「Receiver」という、名誉な職だった。前任者の「The Giver」から、特別な「記憶」を受け継ぎ後継に伝えていく重い職務だ。
天気も色もない世界に過ごすJonasだったが、やがて「The Giver」から豊かな心と色鮮やかな世界の「記憶」を受け継ぐのだった。
ユートピアかと思われた、すべての人が幸せに過ごしているかのように見える世界。心の痛みや辛さなどがないとしても、はたしてそれは幸せな世界なのだろうか。
Jonasは、1年後に、ある思いに至る。。。
1994年Newbery Medal 受賞作 。
難しい単語がほとんどないのに、難しい。テーマの深さが児童書とは思えないほど。ラストに向かっての悲しい美しさが素晴らしいです。はらりと雪が舞う季節に、思い出して泣いてしまうかも。自分の人生を選ぶことの大切さ。全ての辛さや不安がなくなったとして、自分の人生は美しくあるだろうか。そんな思いを抱かせてくれた、至極の宝のような作品でした。少々、未消化の部分もありますが、そんな部分を胸に、また再読する日が楽しみです。
wikiによりますと、
日本では1995年に講談社ユースセレクションから掛川恭子の訳で出版された。しかしその後この講談社版が絶版となり、愛読者有志のグループ「『ギヴァー』を全国の読者に届ける会」の活動により、2010年1月、新評論より島津やよい訳の新訳版『ギヴァー 記憶を注ぐ者』が刊行された。
とのことです。愛読者が支える本というのも素晴らしいですね。
1187冊 7,174,916語です。