ねこじゃらしに飛びつけ*

普段モコモコと暮らしているヒツジもねこじゃらしに飛びつきたくなることがあるのです*  語数が重なりつつありますが、英語の実力は初心者。日々出合う英語の本は心の宝物です♪ 1203冊 8,355,318語  只今仕事の勉強で多読を中断しております

ねこじゃらしに飛びつけ*

Princess Academy

Princess Academy

Princess Academy

Princess Academy
YL5.5 語数62000語 SSS書評 2005年New Berry Honor
14歳の小さい少女 Miri。Mount Eskelは、linderという岩を切り出す鉱山で、皆は8歳頃から働き出すのだが、Miriは父親がそれを許してくれず、家の仕事をして過ごしている。自分が小さいからか、自分が役に立たないからかと、そのことが心にわだかまりとなっていた。ある日、この国の王子がMount Eskelで婚約者を見つけだすという予言を司祭がしたため、王子より年下の12歳〜17歳の少女がプリンセスになるための教育をする伝統行事を行うことになった。そこで優秀な成績をおさめた者を、Academy Princessとして王子に推薦するためだ。国の歴史や政治、会話法、ダンスなど、プリンセスとしてふさわしい女性を教育するために、厳しい女教師が教鞭をとる。山に隔離された生活の中、持ち前の素直な性格と聡明さで、友情を築き、知的な好奇心に駆られるMiri。。
前半部分は、誰が王子の相手になるか、というお話というよりは、一人の少女が初めて文字を読み学問に触れ、知性が芽生えていく、家族の愛に気付くという、少女の成長が丁寧に描かれています。Miriがうけた教育が生かされて、村人に多くの影響を与えていきます。そんな成長を楽しんで読んでいましたが、第20章でガラリと大きな展開を向かえます。鍵は“quarry-speech”。生まれてから、Mount Eskelのlinderという岩に囲まれて育ち、身体に“drench”されていると、記憶を共有する者同士で、それを呼び起こすことができ、楽しい記憶や危険を知らせることができるというもの。なんとファンタジック。少女の成長ものが大好物な私を満足させてくれるだけでなく、やわらかく漂うファンタジーの部分がなんとも言えずヨカッタです。
じんとくるというよりは、清々しい朝を迎えたような読了感。きっと読まれた方は、山に広がるMiriの花が、各々の心に咲くことでしょう。

300万語通過時に途中換算したので、944冊 3,182,563語 です。